クローズ就労のメリット・デメリットは?定着率データとリスクを徹底解説

 

皆さん、こんにちは! 障害のある学生の就活を応援する、家でも就活オンラインです。

「障害のことを話したら、不採用になるんじゃないか……」 「周りと同じ土俵で、一般枠にチャレンジしてみたい」

就職活動を進める中で、こんな気持ちを抱いたことはありませんか?

障害のある学生さんの就活には、大きく分けて2つの選択肢があります。企業に障害を開示して就職する「オープン就労」と、開示せずに就職する「クローズ就労」です。

どちらが正解、ということはありません。でも、この2つの違いを正しく知った上で選ぶのと、知らずに選ぶのとでは、入社後の経験が大きく変わることがあります。

この記事では、クローズ就労を検討している方に向けて、メリット・デメリット、定着率のリアル、そして「バレたらどうなるの?」という疑問まで、データをもとに解説します。


この記事でわかること

  1. クローズ就労・オープン就労とは何か
  2. クローズ就労のメリット・デメリット
  3. 1年後の定着率データが示す現実
  4. 入社後に障害が発覚した場合のリスク
  5. あなたに合った選び方のヒント

そもそも「クローズ就労」ってどういう意味?

クローズ就労とは、障害や疾患のことを企業に開示せず、一般枠で就職・就労することを指します。

障害者雇用促進法などの法律上、採用選考で障害の有無を必ず申告しなければならないという規定はありません。そのため、クローズで就職すること自体は違法ではありません。

一方、オープン就労とは、障害を企業に開示した上で就職することです。多くの場合は障害者雇用枠での就職になりますが、一般枠でも障害をオープンにして働く方もいます。

クローズ就労のメリット

① 選べる求人の幅が圧倒的に広い

クローズ就労の最大のメリットは、求人の選択肢の広さです。一般枠の全求人が対象になるため、職種・業種・企業規模を問わず、自分の興味や強みを活かした仕事に挑戦しやすくなります。

障害者雇用枠の求人数はここ数年で増加傾向にありますが、事務職・軽作業系に偏りがちなのが現状です。「営業職に就きたい」「エンジニアとして働きたい」といった明確な希望がある場合、一般枠での就活が現実的な選択肢になることもあります。

② 障害を理由に選考から外されない

選考において、障害を理由に不利な評価を受けるリスクがありません。他の候補者と全く同じ条件で評価してもらえることは、自信を持って選考に臨める環境をつくります。

③ キャリアのスタート地点を自分で選べる

職場の同僚や上司に障害のことを最初から知られない状態でキャリアをスタートさせることができます。「まず仕事で実績を出してから、必要なら相談する」というアプローチを取りやすい面もあります。

クローズ就労のデメリット

① 入社後の定着が難しくなるケースがある

これがクローズ就労の最も見過ごせない課題です。

複数の調査では、オープン就労(障害者雇用枠)と比べて、クローズ就労での定着率に大きな差が見られることが報告されています。

出典:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 「障害者の就業状況等に関する調査研究」(調査研究報告書 No.137、2017年) https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku137.html

障害の種類にかかわらず、クローズ就労(一般求人・障害非開示)で就職した場合、1年後の定着率は30.8%というデータがあります。
つまり、約7割の方が1年以内に離職しているという現実があります。

特に精神障害のある方は、クローズ就労を選ぶ割合が高い傾向にあり(全就労者の3割以上)、その分この数字が実態に近い層でもあります。

なぜこのような差が生まれるのでしょうか。

クローズ就労の場合、企業側は障害のことを知らないため、「合理的配慮」を提供することができません。業務量の調整、通院のための休暇取得、休憩の取り方のカスタマイズといった支援が受けられないまま、ストレスや体調の悪化を一人で抱え込んでしまうケースがあります。

「少し配慮があれば続けられたのに」という状況でも、それを言い出せないまま離職に至ってしまう――これが多くのケースで見られるパターンです。

📖 オープン就労とクローズ就労、それぞれの当事者の声が気になる方はこちら

② 「困ったときに相談できない」環境になりやすい

職場に障害を開示していないと、体調が崩れたときや業務で困ったときに、その背景を説明しにくいという壁が生まれます。

「最近疲れやすい」「集中できない日が続いている」「特定の業務が極端に苦手」といった状況でも、障害特性が背景にあることを伝えられないため、サポートを求めにくくなります。

③ 「隠し続ける」ことの精神的な負荷

「バレないようにしなきゃ」という緊張感を長期間持ち続けることは、それ自体が精神的な疲労につながります。特にストレスや環境変化に敏感な特性がある方には、この「開示できない状態」がじわじわとコンディションを崩す要因になり得ます。

入社後に障害が発覚したら、どうなるの?

「クローズで入社した後、障害のことが分かったら解雇されますか?」という質問をよくいただきます。

結論から言うと、障害があることを理由とした解雇は、障害者雇用促進法によって禁止されています。障害が発覚しただけで即クビになることは、原則としてありません。

ただし、以下のようなケースでは、内定取り消しや業務変更などの対応が行われる可能性があります。

▶ 業務に重大な支障が出る場合 てんかんがあることを伏せて「車の運転」が必須の仕事に就くなど、安全管理に関わる情報の不開示は、企業との信頼関係に影響します。

▶ 雇用契約の前提条件を満たせない場合 「週5日・1日8時間勤務」が前提の契約なのに、体調面から週3日程度しか働けない状態が続く場合です。契約内容と実態のズレとして問題になり得ます。

▶ 年末調整で「障害者控除」を申請した場合 障害者控除は、本人が年末調整で申請して初めて使える任意の控除です。 申請しない限り、経理担当者に障害者手帳の所持が伝わることはありません。 ただし、控除を使いたい場合は年末調整の際、「障害者控除申告書」への記載が必要となり、 経理担当者が書類を確認する過程で、障害者手帳を持っていることが 把握される可能性があります。 「控除を使いたいけれど開示はしたくない」という場合は、 確定申告(自分で税務署へ申告)を選ぶことで、職場を通さずに 控除を受けられる場合もあります。

オープン就労との比較まとめ

オープン就労
障害者雇用枠・開示あり
1年後定着率
70.4%
障害者求人での平均
求人の幅
障害者枠に限定
事務・軽作業が中心
合理的配慮
受けやすい
体調不良時
相談しやすい
精神的負荷
比較的低い
キャリアの幅
やや限られる
クローズ就労
一般求人・開示なし
1年後定着率
30.8%
一般求人・非開示の平均
求人の幅
一般求人すべてが対象
選択肢が圧倒的に広い
合理的配慮
受けられない
体調不良時
相談しにくい
精神的負荷
「隠す」ストレスがかかりやすい
キャリアの幅
広い・自分で選べる

どちらが優れているということはありません。自分の特性・希望するキャリア・体調の安定度によって、今の自分に合った選択肢は変わります。

「オープンかクローズか」、今すぐ一つに絞らなくていい

「どちらかに絞らないといけない」と思っていませんか?

実は、多くの学生さんが就活の中で両方を並行しながら探っています。オープンで応募してみて「この会社の雰囲気なら開示しやすい」と感じることもあれば、一般枠に挑戦することで自分の市場価値を確認できることもあります。

一番もったいないのは、情報不足のまま選択肢を狭めてしまうことです。

✍️ 「もし開示するなら、どう伝えればいい?」と思った方はこちら

障害者雇用就活のプロからひとこと

クローズ就労は「隠している」というより、「自分のペースで開示のタイミングを選んでいる」という側面もあります。それ自体を否定するつもりはありません。

でも、長く・安心して働き続けたいと思っているなら、配慮を受けながら働ける環境を最初から選ぶことが、結果として自分を守ることにもつながります。

一人で抱え込まず、まずは「自分はどんな働き方をしたいのか」を整理することから始めてみましょう。

そのための場所として、「家でも就活オンライン」では就活イベントを定期開催しています。オープン・クローズどちらの選択肢にも精通したアドバイザーと話せる機会があるので、ぜひ気軽に参加してみてください🐏。

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