【学生・求職者向け】企業から「会ってみたい!」と思われるセールスポイントの書き方
そもそも企業は何のためにセールスポイントを聞くのでしょうか?
それは、
・学生の人間性や適性、能力・スキルなどが会社の求める人物像に合致しているか?
・自社で活躍してくれそうか?(活躍してくれる可能性・期待が感じられるか?)
を知るためです。
よくある就活のエントリーシートの例には、「何かの大会で賞を獲った」「アルバイトで全国1位の売上を上げた」「バックパッカーで世界一周をした」など、「すごい」エピソードや実績を書いているものが見受けられます。「自分にはそんな実績はない」「人と比べて自信を持って言える経験を積んでいない」などと考えて書けなくなってしまう人もいるかもしれません。しかし、採用担当者が知りたいのは見栄えのいいエピソードや実績ではないのです。
それよりは、学生の人柄や物事への取り組み姿勢、今後への可能性を知りたいと思っています。つまり、あなたが「どんな人なのか?」「どんな時にどう考え、どう行動するのか?」「どんな時に強みを発揮できるのか?」などを見ているのです。そのため、どんなに些細なことでもいいので、”あなたらしさ”が伝わるような具体的なエピソードを書くことが大事です。
この記事では、セールスポイントの4つの項目「性格・長所」「自己PR」「趣味」「専門スキル・特筆すべき特技」について、それぞれ「どんな内容を書けばいいのか」や「書き方のコツ」をまとめてみました。
「私は○○な性格です」「私には△△なところがあります」「私の長所は□□です」のように、自分の性格的な特徴や長所について書きます。
自分の性格や長所がよく分からない…という場合は、家族や友人、大学の先輩後輩など身近な人に「私ってどんな性格?」「私の長所ってどんなところだと思う?」などと尋ねてみましょう。案外、身近な他者の方があなたのことをよく知っているかもしれません。人からどう見えているのか?ということが分かれば、自己理解を深めることにもつながります。
特に性格については、なるべく短所よりも長所に焦点を当てて書きましょう。とはいえ、ついつい自分の短所に目が向いてしまい、長所が書けない…という人もたくさんいます。そんな時は、自分の短所だと思う面をポジティブな表現に言い換えてみましょう。
例)
・飽きっぽい→好奇心旺盛、新しいことにチャレンジできる
・頑固→意志が強い、途中で諦めず最後までやり抜くことができる
・心配性→よく気を配れる、物事を慎重に進められる、リスク面を考えることができる
・人に流されやすい→素直、環境に順応しやすい、協調性がある
自己PRは「PREP法」で書くと分かりやすいです。PREP法とは、英語の頭文字を取ったもので、まず結論(Point)を述べて、次に理由(Reason)を説明し、具体的な例(Example)を出した後、最後にまとめ(Point)を述べる構成のことを言います。
1.Point(結論)
最初に、この自己PRの結論となる一文を入れます。たとえば、「私の強みは○○です。」「私の長所は□□です。」「私は△△することができます。」「●●することには自信があります。」などです。学生の中には、「学生時代こんなことを頑張ってきました…中略…だから、私の長所は○○です」という流れで先に経験の説明を始めてしまう人がいますが、結論が後回しになると、採用担当者は「この学生は結局何を言いたいのだろう?」と疑問を抱きながら読むことになります。企業の採用担当者は選考で大量のエントリーシートを見ることになりますので、「この自己PRで言いたいこと」を初めに端的に伝えることが大切です。
2.Reason(理由・目的)、Example(エピソード)
1で書いたPoint(結論)を裏付ける経験や、自分の強みや長所を発揮できたエピソードについて書きます。成功したかどうかに関わらず、自分なりに頑張ったこと、打ち込んだことなどについて書きましょう。ただし、失敗経験について書く際は、「その経験から何を学んだのか?」を併せて書くようにしましょう。
また、採用担当者はあなたが何か物事に取り組む際に「どんな考え方や行動をする人なのか?」を知りたいと思っています。そのため、「取り組んだ結果どうだったのか?」だけでなく、その結果に至るまでに「どんなことを考え、どう行動したか?」「どのような工夫や努力をしたのか?」をできる限り詳しく思い出して書いてみてください。
具体的には、以下の流れで書くとよいでしょう。
①活動の概要:どんな活動に取り組んだのか?
②動機、目的:なぜその活動に取り組んだのか?
③課題、問題:その活動に取り組む中でどんな課題や問題にぶつかったか?
④行動、工夫:その課題を乗り越えるためにどんな行動や工夫をしたのか?
⑤結果:その結果、どんな成果が得られたか?
3.Point(まとめ)
最後にまとめとして、自分の強みや長所を活かして「どうやって会社に貢献したいか?」「仕事にどう活かしていきたいか?」を書きます。「この経験から培った私の強みである○○を活かし、貴社の△△の仕事でも~~~していきたいと思います。」「この経験から、私は○○する力を身につけました。この力を活かし、貴社の△△の仕事において貢献していきたいと思います。」などです。
「強み・長所をこのように活かしたい」と書くことで、それが「仕事にどう役に立つのか?」を採用担当者に分かりやすく伝えることができます。自分の強み・長所が仕事にどう役立つのか分からない場合は、身近な社会人に自分の強みを伝えて、それが仕事にどう活かせそうかを聞いてみることや、インターンシップなど就業体験を通して具体的なイメージを持つことなどが有効です。
採用担当者は、なぜ趣味について聞くのでしょうか?
それは、あなたの人柄や、どんなことに興味関心を持つのかを知り、仕事を任せる際の参考にするためです。面接などの際に、話題のきっかけになることもあります。そのため、何でもいいので本当に好きなことを書くことがポイントです。趣味について質問された時に熱く語れるようなことがあればベストです。
趣味がなくて書けない…という人は、没頭しているほどでなくても何となく続けてきたことや日常的に触れているもの、一時的にハマったことなどを書いてもよいでしょう。
専門スキルに関しては、志望業種・職種と関連があるものを書くことがベストです。
たとえば、英語を使う仕事であれば、TOEIC・TOEFLの点数や英会話のレベル(日常会話ができる、英語でプレゼンテーションができるなど)、IT関係の仕事であれば、使用したことのあるプログラミング言語や、アプリやWebサイトなど実際の制作物など、「どういったことがどの程度できるか」を具体的に記入します。現時点では具体的な実績や成果に結びついていなくても、今取り組んでいること、勉強していること、長く続けていることなどがあればそれについて書くのも良いでしょう。
志望業種・職種が特に決まっていない場合は、どんな仕事でも活かせそうなスキル(たとえば、PCスキル、語学力、デザインができるなど)や大学での専門分野などについて書きましょう。
特技については、人と比べてよくできること、人からよく評価されること、人に教えられることなどを書きます。 趣味や好きなことの中で仕事に活かせそうなことをピックアップしてもいいでしょう。こちらも、志望業種・職種と関連があるものを書くのがベストですが、必ずしもそうでなくても構いません。たとえば、「人の顔と名前を覚えるのが得意」という特技は、営業や接客の仕事において、初対面のお客様の顔と名前をすぐに覚えて、次に会った時に名前で呼ぶことで好印象を与えることにつながるかもしれません。あなたにとっては当たり前にできることが実は特技であることも多いのです。
※「添付ファイル」には、セールスポイントを証明する実績・根拠となるデータを添付しておきましょう。たとえば、プログラミングやデザインなど実際に制作したデータや、研究で執筆した論文などを添付しておくことで、アピールにつながります。